メニュー

小児(5才~11才)へのコロナワクチン接種をもう一度考えて下さい! (2022,7月)

[2022.07.16]

オミクロン株BA.5の流行で、コロナウイルス感染の第7波がこれまでになく急速に拡大しています。この感染拡大は、デルタ株の大人中心の流行から、10才未満と10才代の小児中心の流行に変化して、子供から家庭内感染した30代、40代の親世代へと拡がる傾向を示しています。

一方、5才から11才へのコロナワクチンの接種率は全国でも17.5%と低く、小児への感染拡大に歯止めがかからない状況です。

小児への接種率が上がらない理由として、

①小児に対するコロナワクチンの安全性への不安

ex. 大人のように、接種後の発熱、倦怠感が強く、学校を休んだりするのでは?

②小児がコロナウイルスに感染しても軽症で治ってしまうので、接種する必要がない

③デルタ株では大人への感染が中心で高齢者は重症化したが、小児はあまり感染しなかったから  などがあげられます。

それは、本当に正しいでしょうか?

①のワクチンの安全性に関してですが、小児用のコロナワクチンは大人のワクチンと比べ、発熱、倦怠感、頭痛などの副反応は少なく、38度以上の発熱の頻度は大人は15%くらいでしたが小児では5%と低くなっています。また、男児や若い男性に多い心筋炎の副反応も、ほとんどが軽症で自然治癒しており、コロナウイルスに実際に感染して起きる心筋炎はより重症です。

②の 「小児はコロナウイルスに感染しても軽症ですむ」 とは限らないことが分かってきました。小児の重症化の要因に、熱性痙攣、クループ性気管支炎、心筋炎の合併が上げられます。

発熱時に子供が痙攣をおこす熱性けいれんは一般に5~6才以下ですが、コロナウイルス感染では5才~11才の小児にも起こることが分かってきました。また、クループ性気管支炎による呼吸障害や、心筋炎の合併もあり死亡例も出ています。

③はすでにお話ししたように、オミクロン株では小児が中心の感染が起こっており、保育園や学校でのクラスターから家庭内へ感染拡大しています。

 

 当院でも抗原検査が陽性と判明した小学生に結果を伝えると、哀しい顔をしたり、涙する場面に度々遭遇します。本人の病気の辛さや不安より、10日間も自宅隔離され学校に行けないことや、周りの家族や友達が濃厚接触者となり迷惑をかけることに心を痛めている様です。

 こういったコロナ禍での子供たちや社会の状況を改善するためにも、お子さんと親御さんが良く相談され、小児(5才~11才)へもより積極的にコロナワクチンを接種すべきフェーズに入ってきたのではないでしょうか。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME