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子どもの生活習慣病

問)小学1年生のうちの子は、保育園の頃から徐々に太ってきていて心配です。子供にも生活習慣病やメタボリックシンドロームはあるのでしょうか?

子供の生活習慣病 

食事や運動、毎日の生活リズムなどの日常生活の乱れからくる生活習慣病は、小児期から発症する人が増加しており、特に肥満のお子さんは注意が必要です。

 「三つ子の魂、百まで」と言われますが、幼児期からの肥満は学童期、思春期の肥満につながり易く、ひいては成人肥満から、2型糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病を発症する可能性があります。また、小児期でも、肥満から生じる内臓脂肪の蓄積によって、これらの生活習慣病が引き起こされやすくなった、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は存在し、早期からその予防が重要と考えられます。

 

6歳から15歳の小児のメタボリックシンドロームの診断基準
  1. おへその位置で測った腹囲が中学生は80㎝以上、小学生は75㎝以上(もしくは腹囲/身長が0.5以上である)
  2. 中性脂肪が120㎎/dl以上、またはHDLコレステロール40㎎/dl未満
  3. 収縮期血圧125mmHg以上、または拡張期血圧70㎜Hg 以上
  4. 空腹時血糖100㎎/dl以上

①を満たし、②③④のうち、2つ以上を認める場合、小児のメタボリックシンドロームと診断されます。

小児のメタボリックシンドロームの対策

肥満による内臓脂肪の蓄積を改善するには、食事で摂取するカロリーを減らすか、運動などで消費するカロリーを増やす必要があります。しかし、小児は成長期であり、極端なカロリー制限は正常な成長を妨げるため、成長に必要な栄養素は不足させない事が重要です。また、小児は身長が伸びることにより、体重を維持するだけでも肥満は改善することが期待されます。

  1. 生活習慣について
    1. 早寝、早起きが基本で、十分な睡眠時間(最低9時間)を確保しましょう。
    2. 夕食は早い時間に取って、遅い時間ではたくさん食べないようにしましょう。
    3. 外食は炭水化物(ご飯、めん類)や脂質(油っぽいもの)が多く、要注意です。単品ではなく、定食などのバランスのとれたものが良いでしょう。
    4. 間食は、甘いものや油っぽいものは避け、量を決めて食べましょう。
    5. 夜更かしはお腹がすいて夜食を欲しくなるので、早く寝ましょう。
  2. 食習慣について
    1. 朝ご飯は、午前中からパワーを発揮して勉強や運動するためのエネルギー源です。欠かさず食べましょう。
    2. 早食いは、満腹感を感じる前にたくさん食べ過ぎてしまいます。よく噛んでゆっくり食べると、もっと少ない量でも満足できます。
    3. ご飯やパン、めん類などの炭水化物は、血糖を上げてエネルギーとして使われますが、食べ過ぎた分は脂肪として体に蓄えられ、肥満の原因になります。
    4. 脂肪分は、同じ量の炭水化物より倍以上のカロリーがあり、取りすぎないようにさらに注意が必要です。
    5. 肉、卵、乳製品などの動物性脂肪より、魚や大豆、トウモロコシなどの植物性脂肪をとるようにしましょう。
    6. 野菜はたくさん食べても低カロリーで安心です。食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれています。毎食1皿以上、野菜料理を食べましょう。
    7. 食事は、家族みんなで、三食しっかり、バランスよく、ゆっくり食べて、腹八分目!
  3. 運動習慣について
    1. 毎日の体を動かす習慣が大事です。面倒くさがらず家の手伝い(茶碗を運ぶ、布団を上げる、玄関の掃除など)をしましょう。
    2. テレビやゲームは脳や目が疲れてしまい、後から勉強しようとしても集中できません。外で体を動かし、友達と遊ぶことがずっと大事です。
    3. 軽い運動から始めましょう。ウォーキング、軽いジョギング、自転車、水泳など、継続することが大事です。     

最後に、お子さんばかりでなく、家族ぐるみで生活習慣に気を付けることで、家族みんなが健康になることを目指しましょう。

 

 

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