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子どもの感染症(春夏秋冬)

冬から春の感染症

1)インフルエンザ

感染力が強く直接接触や空気感染で伝染します。潜伏期間は1~2日で、突然の高熱、悪寒、関節痛、倦怠感などの全身症状が強く、咳、鼻汁などの気道症状も持続します。高熱により熱性痙攣を起こしやすく、インフルエンザ脳炎、脳症との鑑別が必要になります。鼻咽頭ぬぐい液で迅速診断が可能で、発症後早期であれば、抗ウイルス剤の投与で有熱期間の短縮が期待されます。

予防接種は任意ですが、重症化を抑制します。

2)溶連菌感染症

咽頭炎、扁桃炎を起こす細菌感染症で、冬から春にかけて、飛沫、経口感染します。潜伏期間は2~5日で、高熱や激しい咽頭痛で発症し、24時間以内に細かい発疹が出現することがあります。溶連菌感染症は、後にリウマチ熱や腎炎を合併することがあり、早期に診断し治療を行う必要があります。咽頭ぬぐい液で迅速診断が可能です。

3)感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症)

ウイルス性(おそらくノロウイルス)の胃腸炎で、大人から子供まで感染し、家族内感染も多くみられます。症状は、嘔吐、下痢、腹痛、発熱ですが、個人差があります。潜伏期間は1~3日で、下痢の期間は3~8日です。便を介して経口的に感染するため、予防にはトイレやオムツ交換後の手洗いが重要です。

春から夏の感染症

 1)感染性胃腸炎(ロタウイルス感染症)

乳幼児に冬季に流行する胃腸炎です。初期には嘔吐、発熱があり、その後、酸性臭の強い白色下痢(泥状~水様)が1日10回以上生じることもあります。潜伏期間は2-3日で、便を介する経口感染でひろがるため、おむつ交換後はよく手洗いをすることが大切です。嘔吐が持続したり、水様便が頻回で大量の場合は、脱水症状が起こりやすく注意が必要です。便からの迅速診断が可能ですので、疑わしい場合はオムツごと持ってきてください。

経口のロタウイルスワクチンを接種すると、重症化する人は確実に減っています。

2)溶連菌感染症

咽頭炎、扁桃炎を起こす細菌感染症で、冬から春にかけて、飛沫、経口感染します。潜伏期間は2~5日で、高熱や激しい咽頭痛で発症し、24時間以内に細かい発疹が出現することがあります。溶連菌感染症は、後にリウマチ熱や腎炎を合併することがあり、早期に診断し治療を行う必要があります。咽頭ぬぐい液で迅速診断が可能です。

3)水痘(水ぼうそう)

38度台の発熱と、体幹を中心とする小水疱が出現し痒みを伴います。潜伏期間は2~3週間で、接触あるいは飛沫感染します。水疱は痂皮形成(かさぶたができる)まで1週間かかり、その間は感染性があるため通園、通学はできません。掻きすぎると、水疱が破れたところから細菌感染を起こすことがあり注意が必要です。

予防接種は定期接種で2回受けましょう。

夏から秋の感染症

1)手足口病

夏に流行する、手足の小水疱と口腔の粘膜疹が生じるウイルス性発疹症で、約30%に1~2日の発熱を認めます。潜伏期間は2~7日で飛沫、糞口感染します。水疱はかゆみを伴わず、1週間くらいで治癒します。口の中の痛みで食欲が落ちたり、よだれが増えたりします。ウイルスの排泄期間が3~5週間と長く、登園を停止する必要はありません。合併症として髄膜炎や脳炎があります。

2)ヘルパンギーナ

咽頭に小水疱、小潰瘍を伴うウイルス性の疾患です。7、8月の夏場にかけて流行します。飛沫、糞口感染し、潜伏期間は2~5日です。高熱や咽頭痛で発症し、乳児では哺乳力の低下やよだれが増えます。幼児では嚥下困難、頭痛などをともないます。高熱は1~4日持続し自然に治癒しますが、経口摂取が不良な時は、脱水に注意する必要があります。

3)アデノウイルス感染症

夏季のプール熱の原因ウイルスとして有名ですが、プールだけで感染するのではありません。咽頭炎、角結膜炎、扁桃炎、胃腸炎など様々な病気の原因となります。感染経路は接触、飛沫感染が主ですが、眼脂からも感染します。潜伏期間は3~5日で、発熱は40℃くらいの高熱が4~5日間も持続する場合があり、肺炎になることもあり注意が必要です。咽頭ぬぐい液で迅速診断が可能です。

4)RSウイルス感染症(細気管支炎)

夏頃から感染する乳児が増えています。潜伏期間は4~5日です。咳、鼻汁などの上気道症状の後に、呼気性喘鳴(ヒューヒュー)、多呼吸、陥没呼吸などの下気道の症状が出現します。特に乳児では重症化しやすく、哺乳力低下、チアノーゼ、無呼吸発作などを生じ入院が必要な場合があります。鼻腔から迅速診断が可能です。

 

また感染症ではありませんが、季節の変わり目に朝晩冷え込んで日中との気温差がおおきくなり、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)を伴う乳幼児が増えてきます。学童でも気管支喘息のお子さんは、夜間から朝方に発作がよくあります。放置すると呼吸困難となり危険ですから、咳や喘鳴で夜に何度も目を覚ますような場合は、早めに受診をお勧めします。

秋から冬の感染症

比較的感染症の少ない季節で、例年インフルエンザの予防接種が行われます。季節を問わず小児に流行する感染症を上げてみました。

1)マイコプラズマ感染症

発熱、咳で発症し、ひどい咳が長引くのが特徴です。乳幼児は軽症ですみますが、5歳以上の学童は肺炎になることがあります。潜伏期間は2~3週で、家庭内、学校内での濃厚接触で感染しやすく注意が必要です。一般的な抗生剤は無効のため、マイコプラズマに有効な抗生剤で治療する必要があります。

2)伝染性紅斑(リンゴ病)

両側の頬がりんごのように赤くなる紅斑が出現し、その後、上肢や下肢にも網目状の紅斑がでます。パルボウイルスによる発疹症で、1週間くらい持続し、痒みを伴うこともあります。発疹が出るころには感染力はないため登校は可能です。ただ、妊娠初期では胎児が影響を受けることがあるため、妊婦さんとの接触は避けてください。

3)流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

多くは両側の耳下腺が腫れ、痛みを伴います。顎の下の顎下腺が腫れることもあります。潜伏期間は2~3週間で、耳下腺や顎下腺の腫れは1週間から10日くらい持続し、この間は感染性があるため通園はできません。合併症として無菌性髄膜炎の頻度が高く、また稀ですが難聴もあり難治性です。

任意ですが予防接種を2回受けられることをお勧めします。

 

 

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